喪失の向こう側6

「行く」


スコールは、ただ頷いた。


その場の空気が変わり、いつの間にか召喚神となったスコールの翼の羽根の中にいた。

無数にある水晶のような羽根それぞれが色も、光の屈折も、呪文も、形も全てタイプが違う。

羽根の中はそれぞれ1つの部屋のようになっていて、そのどれもが本体のスコールと繋がっている。

以前、誕生した時より遥かに大きくなっているし姿も随分変わったが、何も変わっていないとも思う。

以前ヴィンセントやリヴァイアサンが言っていた意味がよく分かる。

人間だった時も今もスコールはスコールだ。

だからこそ信頼できる。



次元時空を超えてゆく眩い光彩の渦の中、羽根に呪文のようなものが浮かび上がっては流れてゆき、また違う形の呪文が違う大きさで浮かび上がり流れてゆく。


「クラウド」

「あ…」

ヴィンセント。

「暫しの別れだ」

「え、なんで、お前は召喚獣だろ。次元時空を超えるだろ

「お前が行こうとしている世界はあまりにも遠い

私の能力を超えている

いつかまたお前に会える日を待つ」

「……俺、あと40年は生きないらしいぞ

そう言ったクラウドにヴィンセントはただ美しく微笑み言った。


「塵は塵に、灰は灰に、私達はいつかまた再会する」

クラウドは暫く考え

「死んだら元の世界に還るってことか?ジェノヴァ因子同士?

ヴィンセントは微笑んだまま答えなかった。

そうしているうちにスコールが召喚獣の姿を解き、ヴィンセントと人、どこかの大聖堂のような場所に降り立つと同時に、クラウドは愕然とした。


2体のモンスターの激しい戦闘、凄まじい殺意ががぶつかり合っている。

その片方は……セフィロス…

以前の面影は全く無いが、その狂気の気配は確かにセフィロスのもの。


中心にブラックホールのような深い闇空間があり、その奥には星がつ瞬いている。

ブラックホールを中心に本来は枚であろう1箇所欠けた枚の翼……内側が闇夜色、外側が銀色に輝く二層構造の翼。全長は20mを超えている。

クラウド達の周囲はスコールによって結界が張られているため余波は来ないが、20m以上もの翼が高速で旋回しているため、その空間はまるでミキサーの中にいるような、何もかもが滅茶苦茶にぶつかり合い粉砕し合い、荒れ狂っている状態だ。

そのミキサーの勢いに飲まれず戦っているのが召喚獣イフリートのような炎の化身、人型はしているが全身が燃え猛るエネルギー体だ。


「あれがダンテか

ヴィンセントがスコールに聞いた。

「そう、面白い奴だぞ。悪魔のくせに悪魔狩りをしている

セフィロスはこの地で復活してからはモンスターや幻魔の殺戮を繰り返して、あの中心のブラックホールに次々に吸収していった

今や強弱老若種族無差別、眼に入るものエンドレスで殺戮、吸収を繰り返しているだけの狂魔と成り果てた

おかげで悪魔狩りダンテのターゲットになった

ダンテは子供の頃から好んで殺し合いを続けてきた悪魔らしい悪魔。おかげでこの星じゃ敵になるような奴はほぼいなくなってしまった

だからセフィロスのような手こずらせる敵は大歓迎」


スコールの説明にもクラウドは相槌を打つことすらできず、そのセフィロスだった頃の面影が微塵もない変わり果てた姿を茫然・愕然と見続けていた。

セフィロスだったものは闇の翼と銀の翼を旋回させトルネードを巻き起こし、空間内の全てを滅茶苦茶に荒れ狂わせ、切り裂き、激突、破裂、粉砕させながら更に羽を散らすように刃の様な衝撃波を魔人に衝突させ続ける。

魔人は飛んでくるものを破壊しながら衝撃波を高速で上下左右に避けながら、両手で作り出す爆炎をセフィロスに叩き込みながら、更に荒れ狂うもの達に爆炎を引火させ火花、業火、プラズマ、変化させ、それらを己の凶器に変えてセフィロスにぶつけ返している。


「奴はここに来た時点で”セフィロス”であることを放棄していたし、元々人間の自覚も薄かったし、八熱地獄の初期の段階で何者でもなくなっていた

結果ジェノヴァ細胞に乗っ取られ、あんな姿に変化していった

この星じゃセフィロスの戦力は大したものじゃないが、今ダンテが手こずってる理由はセフィロスのあの臨機応変の戦術だ

ダンテのパターン・能力を瞬時正確に見切り、直ぐに戦術を修正しあてていく

そういうところはSS級なんだが……」

"なんだが……"の後は何と、クラウドが隣のスコールを見上げた。


「セフィロスは空っぽの器だ

たとえ人がどう評価しようとも、アイツ自身が己に興味も無ければ執着も無い

だから空っぽの自覚もないし、自分自身でそこを埋めようともしない

昔、ヤツの器を埋めていたのは軍事会社神羅、それが英雄時代

だがその隙間にジェノヴァが入り込み、神羅を塗りつぶした

結果が神羅を潰して星を崩壊させる戦争を起こした

ライフストリームの中でセフィロスは初めて己自身が欲するものを見つけた

生きて戻りそれで満たしたかったが、それは永遠に手に入らないのだと奴は判断した

『1-1=0』

奴は”セフィロス”という器ごと破棄した

結果がアレだ」


ミキサートルネードの中、息つく間もなく戦い続ける体。

その時、魔人化したダンテの四方から当てる隙の無い連続爆炎攻撃に、セフィロスに一瞬の隙が出た。

その瞬間、人間の姿に戻ったダンテが高速で回転する翼の中の欠けている翼の根の部分に深く、大剣をザックリと突き刺した。

旋回していたセフィロスの動きが止まった。

荒れ狂っていたトルネードがピタリと止まり、宙を舞っていた様々な破片・欠片がガラガラと落ちてきた。

ダンテが突き刺さった大剣の柄頭に手を当て捩じりながら更に深く中心に向かい突き刺し貫き……やがて瞬いていた星の輝きが消えた。

四方に広がっていた枚の翼から力が失われ……バラバラバラバラと枚、枚と羽根が散り始め、闇夜の羽根と輝く銀の羽根の吹雪が巻き起こり、地上に降り積もってゆき……力尽きたセフィロスがその中へ落ちた。

たくさんの羽根の中に横たわるセフィロスだったモノ。

ダンテは暫く息を荒げたまま立ち尽くし、やがて息が落ち着いて来たところでボソッと

「気は済んだかよ、銀の悪魔」

そう呟き、去って行った。

残ったのは完全な静寂。


「クラウド」

呆然としているクラウドにヴィンセントが声をかけた。

「私はこの世界へは降りられないが、この次元までも力が及んでいる召喚獣はたくさんいる

今現在お前と契約している召喚獣の中にもいる

エネルギー体の召喚獣はお前の現在過去未来全てを知った上で契約している

忘れるな。お前は一人で生きているわけではない」

ヴィンセントを見てからスコールを見上げると、スコールも微笑んだ。

「奴は結局2度ジェノヴァに乗っ取られている

アイツに自分自身に少しは関心を持つように教えてやってくれないか

それができたらアイツは二度と同じ間違いは犯さない」

フ…と、スコールから微笑が消えた。


『結界を解く!』


次第に目の前のスコールとヴィンセントの姿が翳み始め、急激に身体全ての個所を捩じり引き裂く圧迫激痛がクラウドに襲いかかってきた。


『奴は空っぽの器』

意志など関係なく勝手にあがる悲鳴の中、その言葉が何度も捩じり消えては生まれる命と共にクラウドの中に残り続けた。


少年くらいまで後退した躯のセフィロス。

「本当スゲエ美少年だな…こんなに美少年の息子がいたんじゃ、そりゃ宝条も狂うよな…そりゃ世界の全てをプレゼントしたくもなる」

セフィロスの髪はよく"白髪"と揶揄われてたけど、違うんだよな。銀髪なんだ。

造ったように整った顔、体型。圧倒的な強さと頭脳と誰をも惹きつけるカリスマ。

そんなに何もかもを、誰よりも持っていて、それでも空っぽだった………セフィロス。


何も無い、何も持ってない

埋まらない空洞

……俺とお前は対極にいるけど同じなのかもしれない……

俺はお前と違って本当に本当に何も持ってなかった。

お前に憧れて兵士になったけど戦えるものを何一つ持ってなかった。

最低最悪最弱の兵士だった。

たくさんの人の足を引っ張って、傷つけて、挙句に神羅に見切られ……

お前に会う前から俺はとっくに、お前に会えるような兵士じゃなくなってた。

お前が軽蔑する兵士だった。




数日後

いつものようにマリーを学校に送って行きマンションに戻ると、まだ眠っているはずのレディの姿は無く、携帯に着信が入った。

『あ、クラウドトリッシュの子生まれたわよ男の子よおおおお!!今、向かってるところ最高おおおおおお!!!

それと今日の狩りは1800からねアンタどうする!?こっち来る

電話口で大声で喋るので声がハレーションを起こし割れまくっている。

「いや、いい。アンタもあんま長居しない方がいいぞ産んだばっかりなんだろ

『あ、あそっか分かったわアンタ相変わらず女子力高いわね!!そんな事に気が付くなんて!!

アンタ、そのうち生理が来ちゃうかもよ!?アッハ~あ、子供の名前ももう決まってんの!!

エリアス!!素敵ィィィィ!!じゃあね!!トリッシュ最高~~~!!


通話は一方的に切れたが、クラウドは途中の下種なジョークはいつもの事と聞き流せたが、最後の言葉でフリーズした。

そして携帯を床にガゴンッと落とした音で我に返った。

自室に戻りセフィロス少年の躯に語り掛けた。


「ダンテのとこに子供が生まれた

男の子………エリアスだって…

もしかしたら生れなおしたお前と同学年になるかも……まぁ、、お前が無事に生まれて来たらの話だけど

お前って人間の自覚がないからな…昔の最終形態の時も驚いたけど、今回のは原型すら無かったもんな

今度のお前はどうなるんだろうな…不安しかないよ…セフィロス、頼むからマトモに生まれてきてくれ

でないと俺の育児が大変だ

なあ……エリアスって…………偶然かなぁ

エアリス、エリアス…………偶然だよな男の子って言ってたし…名前が似てるだけだよな


そして更にか月後


「俺、アンタの家を出る」

「はあ!?

夜のモンスター狩りが終わり帰り支度を始めた時、レディに話があると切り出した。

「な、なんでよ!!何か気に入らない事でもあんの!?

信じられないと、闇討ちにでも遭った様にレディが動揺激しく非難の目で聞き直した。

「無いわけないだろ

アンタは家の中じゃいつだって裸でウロウロ

身に着けてたものは脱いだらどこでも脱ぎっぱなし

せめて下着くらいは拾えって言っても馬耳東風

部屋も俺が掃除しなきゃどんどん汚くなっていく

そんなんで文句が無いなんて思えるアンタの神経が信じられない

でもそんな事は大したことじゃない

セフィロスがそろそろ消滅する

消滅するっていうことは新しく生まれてくるってことだ

でもどんな状態で生まれてくるのか分からないんだ。だから出て行く

どんな形で生まれて来ようとも俺はアイツを責任をもって育てる

だから出ていく」

「あー……うん。まあ、アンタの言ってることは分かった

でも私達のご飯は嫌よ、もう元のデリバリー生活には戻れない。きっとマリーも無理よ」

「俺がアンタの家にいたのはか月くらいだろ」

「あ良い事考えた!!私が援助してあげるから同じマンションに住みなさい

それで家事とシッターしに来てよ」

名案とばかりに両手を合わせてご機嫌に左右に振りながら言った。

「そういうのは嫌だ。依存してるのと変わらない

出て行く。決めてる」

「………もしかしてあなた、どこか住むところも目ぼしつけてるの


一緒に仕事をし暮らしてきたか月間、クラウドがレディを分析していたようにレディもクラウドを分析していた。

レディは"クラウド"という人物を

『一度腹を決めたら一歩も引かない頑固者。

しかしそれ以外の事に関しては押せばほぼ譲歩する。押すだけどんどん譲歩していくお人よし。』

そう分析していた。

そして今、"そう、腹を決めてしまったのね"

レディは残念にも察した。


「フォルトゥナ大聖堂跡地」

「え、ダントと銀の悪魔が戦った所?

あそこは人が住めるような状態じゃないわよ

ボロボロの廃墟でいつ崩れてもおかしくないし、レベルの高いモンスターや悪魔の通り道にもなってるもの」

「いい、あそこに棲む」

「……そう」

真っすぐに見返してくる視線の強さにレディは交渉を諦めた。

「好きにしなさい。ただしウチの家事とシッターは続けてちょうだい

これは命令私達親子の命がかかってんだから

それさえやってくれたらどこで何をしようとも自由にして

クラウドは少し呆れたように「OK」と了承サインで軽く手をあげた。

モンスターハンターの業界でやっていくつもりなら、その業界裏の核にいるレディやダンテは敵には回せない。

味方にいたら大物物件に近付けるが、逆に見限られたらハンターを続けていくのは厳しくなる。

一緒に仕事をしてきて良く分かった。

スコールはこういうのを全部分かっていて俺をダンテに紹介したんだろう……

まあ、それ以外にもレディの家事能力は放置できないレベルだってのもあるが…


出て行くことが決まり……


マリーがぐずってぐずって泣いて怒って喚いて、泣いて怒って喚いて、ストライキを起こし、非力な力でクラウドをポカポカポカポカ叩いたり、あぐあぐ泣きながら噛みついたりして最後の最後まで抵抗した。

だが、いざ部屋を出て行くとなった日、クラウドの手のひらに乗せられて出てきた銀の悪魔の躯は、妖精のように小さな小さな赤子の姿だった。

もう、マリーには何も言えなくなってしまった。

いつか出て行くのは最初から分かっていた。でも一緒に暮らしていたか月間毎日が楽しくて幸せだった。

可憐でキレイで優しくて何でもできるクラウド。

今まで一人で買い物をしていたスーパーも、クラウドと一緒ならお買い物が大好きになった。

毎日お風呂の後の髪のドライヤーも面倒だったのにクラウドが乾かしてくれて嬉しくて大好きでドライヤータイムが待ち遠しかった。

優しく優しく梳いてくれていつもいつも気持ちよくなってしまって途中で眠ってしまった。

起きるとベッドの中で、夜中で、ママとクラウドは仕事に出ていた。

眼が冴えてしまってクラウドの部屋で寝ようと行っても、いつも鍵が掛かっていた。

クラウドがいる時も、一度も部屋には入れてくれなかった。

いつも優しくて儚くてキレイに微笑む可憐なお兄さん。

漆黒の羽の銀髪の悪魔……凄く大きくて、家に入れるのにママとクラウドで凄く苦労して入れた。

クラウドの部屋に入れる時はもっと苦労した。「解体して入れろ!」ってママが怒ってた。

大っきくて重くて持ち辛くて、マリーも手伝って、無理矢理入れたけどクラウドの部屋の殆どを占領した。

それがか月経って部屋から出てきたのは、クラウドの片手のひらに乗ってしまう小さな小さな赤ちゃんの躯。

その変化をクラウドは毎日、たった一人で見守った。


この星に来て何度も何度も死んで生き返って苦しんで苦しんで苦しみ続けてた。

たくさんたくさん苦しんで泣いてた。

クラウドを苦しめて傷つけていたのは銀の悪魔でしょう?

なのに無抵抗になった銀の悪魔を守り続けた。誰にも見せなかった。


ママと私は許すしかない。


マリーは沈黙することで、少しだけ大人になった。


その日からクラウドはフォルトゥナ大聖堂廃墟の海が見下ろせる部屋に勝手に住み着いた。

以前この聖堂がダンテやネロ達の戦場になり、塔のいたる場所がボロボロに崩れ、その後聖堂の地下が魔界との通り道にもなり更に廃墟状態が加速し、そこへセフィロスが棲み付き、様々なモンスターとバトルを繰り返し更に色んな場所がボロボロになり、その後ダンテとの決戦で地下が粉々にされ、更にダンテを煽ったスコールのせいで地階の露出してしまっている土の部分に無数の弾痕で謎の彫刻が出来上がっていたりして居住場所としては危険極まりなく、更に壊れた場所からの隙間風も凄まじく、しかもその風は海風で、更に大聖堂なのでいちいちの空間が広く、通路を歩けばカツーンカツーンと靴音が響き、喋ればエコーが掛かるか、大声を出しても海風に飲み込まれてゆくかのどちらかだ。

夏はそれなりに過ごせても、冬は極寒で死ぬレベル。雨が降れば当たり前に部屋の中にも雨が降り、雪が降れば屋内で雪合戦ができる。

こんなモンスターだらけで居住空間の体を成していない場所ならばさすがに弱い奴や人間は近寄らない。倒壊待ちだから崩れても誰も怒らない。

それがクラウドがフォルトゥナ大聖堂を選んだ理由だった。


その日は仕事を休んだ。

前日、レディとの夜のモンスターハントを終え、朝戻ってみると…

午後までは親指サイズの赤子だったのが、直径1cm程の卵に変化していた。

しかもその卵から、まるで消滅間近のマテリアの様にケムリが出ていた。


命が終わる。

セフィロスの命が終わる。

究極の自己完結野郎。

思い至ってから行動に移すのが異常に早すぎて、いつも結果だけを付きつける。

バカセフィロス

英雄セフィロス

この命が終わろうとしてる。

お前って卵から生まれてたのスゲエな、根本的に人間じゃなかったんだな。

卵なんて…爬虫類かよ。

神羅の英雄様がこんな誰も知らない世界でヒッソリと消滅する。

でもセフィロス、これがお前の生きた人生。

お前が終らせた命。



卵からケムリがたくさん出ている。

終わるんだな……本当に、本当にお前は終わってしまうんだな……

セフィロス

こんな最果ての果てで。星の誰もが憧れた英雄の命が。

でもセフィロス、ここは俺達には凄く居心地のいい場所だぞ。

今度こそつまらない事に躓かないで、酷い奴らに利用されないで生きろ。

今度こそお前自身で器を満たしてくれ。

その為なら俺は何でもする。


掌の卵がどんどん軽くなってゆく

指の間からケムリが漏れてゆく

掌の中に重さを感じなくなってゆく


セフィロス


両掌で包み、額を付けた。

お前の次の人生がどんな形で始まろうとも

新しいお前の人生が満ちたものになるように!

お前が誰かと手を繋げるように!

俺が育ててやるから、だから、できれば人型で生まれてこい。

鳥とか水棲生物とかで生まれてきても俺もチョットどうしたらいいのか分からないからさ。

もう一度人間で生まれてこい俺が命を懸けて守るから

今度こそ人間であることを捨てないでくれ


掌の中に何か異物感を感じ閉じていた両掌を開いてみると、そこには


「…………」



…………マテリア………



宝石の様なエメラルドグリーンに輝く、間違いない…中心の命の灯りを燈す召喚マテリアが掌の中に誕生していた。


まさかの召喚獣!IN MATERIA!



「マジで!?


……………

…………………………


いい加減にしろよお前、本当に本当に簡単に人間の垣根超えるんだな………ふざけんな何でそんなに人間の自覚が無いんだバカ!!

え、でも、これは......この場合は...俺は召喚獣を育てるのか


.........できればバトルで成長はさせたくないんだが......


だってそれじゃ昔のセフィロスと同じじゃないか



………えー……、召喚獣をバトルに関係なく成長させるのはどうやったらいいんだ


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